トランスジェンダーが「女性」を性暴力の危険に曝すという言説は、レイプが国家のプロパガンダとして表象されることと繋がっているのだろうな。例えば第一次世界大戦時、フランスではドイツ軍によるレイプ事件を新聞や雑誌、ポスターなどで大々的に取り上げ、国民の戦意を高揚させた。ここで興味深いのは、ドイツを男性になぞらえ、それの対比としてフランスを女性としてなぞらえる風潮が強まったということ。(「母なる祖国」という言い回しや、フランス共和国の象徴としてのマリアンヌ像のイメージなど)
「性暴力の政治利用」に敏感になれないと、あっさり保守層に取り込まれてしまう……。