【感想】『テスカトリポカ』佐藤究
https://sasaboushi.net/blog/2024/08/17/4420/
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抗争で組織と家族を全て奪われただ一人生き延びたメキシコの麻薬密売組織のかつての幹部が、闇医者に身をやつしながらも心臓外科医として返り咲く野望を抱いた日本人とジャカルタで出会い、川崎で心臓密売ビジネスを立ち上げる。アステカの神を題材にしたクライムノベル。
暴力と残虐のスケールが段違いで、何をどうしたらそうなるんだよという熱量がある。アステカ話の書き込みもすごいし、かなりの数の登場人物たちそれぞれの書き込みもものすごい(矢鈴が一番美味しいとこ持ってったキャラだったな……)。それでいてこの長編のボリュームに冗長さは感じられず、猛スピードで読む事ができた。佐藤究作品を読むのが2作目で、やっぱりこれ何食べて書いてるんだというのが本当に謎でありつつ、それでも『幽玄F』と比べると、結末の収束具合は弱い気がした(バルミロの最後はこうだと思うけど、そこに至るためのコシモの変化はちょっと理解しづらさがあった。それと、一番最後がこのリベルタの語りなのはなんかしっくりこない)。メキシコは行ったことないけど、川崎みたいなところなのかな。
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