【感想】『さよなら的レボリューション』東山彰良

https://sasaboushi.net/blog/2024/03/20/4236/

Amazon.co.jp: さよなら的レボリューション: 再見阿良 (徳間文庫 ひ 31-1) : 東山彰良: 本

 元ひきこもりの19歳で三流大学の学生の主人公が、中国人女子学生に惹かれ、失恋し、中国に短期留学する。

 続けて読んだきっかけになった『流』に近い要素がある青春小説だけど、『流』のように一冊の長編でのまとまり感はあまりなく、小説としての完成度は『流』のほうだよねと思う一方、青春の無軌道さみたいなものがそのまま突っ走ってしまった筋書きなのかもしれないと思った。エネルギーのある外国に乗り出していくのはやっぱり読んでいてワクワクするし、楽しい。

#徳間書店 #東山彰良 [参照]

アッ遂に東山彰良を!!w 俺は逆に『流』から入って、面白いけどそんな何かが刺さる感じはないなと思いつつ他が気になって二作目に手にしたのがさよレボでこれが決定打になりましたね。単純に心情描写がこちらの方が馴染むのと、随所にパンチラインがあって、特にラスト手前、中国の村にすれ違った程度の関係の女性を助けに行ったら長老?に「死んだよ」と言われて失意の中「もしもそれから逃げるくらいなら素直に押し潰されてしまった方がマシに思える出来事があって、その時それに素直に押し潰されてしまうことを誰も選ばないのだとしたら、僕たちはどうやって何が自分にとって大切かを知ることができるだろう(うろ覚え)」みたいなモノローグあってこれがバリバリに刺さりましたね。『流』はそういうのがなかったから全体に何か丸いという印象だったけど、今読み返すと違うのかな…

要素で似てるけど角度が違う感じの二作なのでどちらが合うみたいなのは分かれそうですね。両方良かったけど流のほうが世代を超えた繰り返しだったり再会だったりみたいな要素が話の構造的に自分は好きだったのかもしれないです。オススメありがとうございます!!

物凄く単純というか乱暴な区分けをするとやっぱり『流』の方が「家族の物語」だし歴史を背負ってる、保守性があるというところが、本当に何もかも捨ててどこまでも身一つで転げ回っていくさよなら的レボリューション的"革命"とは違う印象を与えたのだろうなとは思います笑
『流』は家族の物語の中で「自分が何者か」を証していくようなところがあるけど、さよレボの高良は恋に破れ正義も為せず何者にもなれぬまましかしどこまでも突き進んでいく、歩みを止めない、その物語の最後がまさに「道の途中」で終わるというあたりがまあ、俺には馴染んだのかな笑

そうですね、家族の話だし、家族の話である時点である種の保守性はありますよね。『さよなら的レボリューション』のぶっ飛ばし感は確かに革命的だ

東山彰良合いそうならポストアポカリプスSF西部劇『ブラックライダー』および前日譚『罪の終わり』もぜひ!(ダイマ)長いけど面白さは保障します笑
あとは三冠達成、ある種の極致であるところの青春ミステリー『僕が殺した人と僕を殺した人』も!
短編集なら『路傍』も好きです。東山彰良は全部よむと言いつつまだ半分くらいしか読めてないから俺も頑張んないと…w

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