「クマのプーさん」のはなし。ネタバレといえばネタバレ。長いのでたたむ。
「クマのプーさん」を読んでいます。こどものころ買ってもらった、こども向け名作シリーズみたいな円本に入っていて読んだはずだけど、その頃には気に入らなかったことは覚えています。岸本佐知子著「わからない」のなかでの「クマのプーさん」に関するエッセイが楽しくて、つい購入。
今読むと登場動物たちが愛しくってしかたない。ちょっとしったかぶったり、欲を隠しきれなかったり、怖くなったり、あまりに違うのに全然気づいていなかったり。とくにイーヨーがいい。
イーヨーの誕生日にプーさんが「ちょうほうなつぼ」を、コブタが途中で割れちゃった風船の残骸をあげて、イーヨーが喜ぶ場面をちょっと引用します。ニコニコしちゃうよ。
"イーヨーは、風船を歯にはさんでつまみあげ、ていねいにつぼのなかにいれました。それから、それをつまんでだすと、地面へおき、またつまみあげて、ていねいにしまいました。
「なるほど。」と、プーがいいました。「はいる、はいる!」
「なるほど。」と、コブタがいいました。「そして、出てくる!」
「それね。」と、イーヨーはいいました。「とても出たりはいったりするじゃろが?」"
A.A.ミルン著 石井桃子訳「クマのプーさん プー横丁にたった家」岩波書店