だいたい、「テロ」の認定は結構難しい。オウム真理教の一連の事件なら「テロ」で間違いないが、同じ反政府暴動でも正統性のない政府に抵抗権を発動したとみなせる光州事件のような事例もある。「テロ」認定はときに高度に政治的で、安易に認定できるものではない。
「テロ認定」がときに高度に政治的になるのは、現政府に正統性があるかの判断にまで踏み込まねばならないことがあるからだ。まったく正統性のない政府が代表しているような失敗国家もたくさんある。日本のように市民が政府の正統性を支持している国ばかりではない(政府の正統性と与党の正当性は別。)。例えば光州事件当時の大韓民国政府は市民が正統性を支持しない政府であった。