マイナンバーカードを持っているか否かにかかわらず、すでに公的医療保険への請求情報はオンライン化されているのだから、マイナンバーカード返納は無意味との議論がある。しかし、マイナ保険証の利用登録をすると、朝日新聞デジタルの記事「マイナカード、目に見えない「もう一つの番号」 規制緩くて大丈夫?」によれば民間でも利活用が始まっている利用者証明用電子証明書のシリアル番号とレセプトデータが紐付けされる。現時点での危険性は低いものの、技術的にはレセプトデータと民間が保有する個人情報を一つの番号で容易に結合できる。マイナンバーカードを返納すれば、この結合の危険性はなくせる。個人情報を一つの番号で管理しないで容易にデータ結合ができないようにすることは、マイナンバー制度導入時に設けられた大きな「安全装置」の一つである。その「安全装置」が外されている現状では、マイナンバーカード返納にも少なからぬ意義がある。

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