にわかに米不足になった今、農家と消費者が直接取引をしたいとの動きが見られる。それに対して、農家の側からは米の市場価格が下がったら取引を打ち切られて在庫を抱えるだけではないのかと警戒する声がある。また、個々の農家が消費者に直接販売するのも手間がかかるとの声も。
そういう課題をクリアした取り組みがすでにある。それが生協により始められた産直提携農業。産直提携農業には、指針となる「提携10か条」がある。たとえば「相互扶助の精神」「計画的な生産」「全量引取り」「互恵に基づく価格の取決め」「相互理解の努力」などの原則がある。これらの原則のもと、生協と生産者グループが農産物の直接取引を行ってきた。近年ではすっかり忘れ去られているが、フェアトレードの元祖とも言えるこの取り組み。今また見直してみるのも悪くない。