ー加害者となった多数派フツ人と、ムガベさんら少数派ツチ人はかつて共生していた。何が虐殺を呼んだか。ムガベさんはベルギー植民地支配下の分断統治とメディアの差別扇動を挙げたー
阿部氏はムガベさんの指摘「メディアの差別扇動」のみに焦点をあて「植民地支配」については相変わらず触れない。
虐殺の根本的な原因はドイツとベルギーによる植民地政策で二つの民族が区別され対立が深まった事だ。メディアの差別扇動は副産物にすぎない。にも拘わらずメディアの責任ばかりを語るのは日本人として無責任ではないか。
この大虐殺は沖縄戦と重ねるのではなく、琉球侵略に始まり、沖縄県内で分断統治/同化政策をしながら琉球人と名乗る事を阻んでいる日本がしてきた(いる)全てと重ねて考えなければならない。
講演会では虐殺の生存者を前に「悪には悪の正義がある」と発言した者もいたらしい。私にとって阿部氏や多くの日本人が沖縄へ向ける沈黙や否定も、その発言者と変わらない。
日本の加害の歴史を避けていては、どんな問題も深く理解することは不可能だろう。