式子内親王の

忘れてはうち歎かるる夕べかな我のみ知りて過ぐる月日を

という歌、考えれば考えるほどこんな歌を詠まれたことが不思議で面白くてここ数日心をとらわれている。

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忍恋の歌なので、「我のみ知りて過ぐる月日」は人知れず誰かを恋しく想った月日のことなんだけど。
そのような月日そのものを歎くのならまだわかるのだが、そうではない。誰かに“忘れられた”ことを歎いているのでもない。その月日を自分が忘れることを歎いているという意味のようなのだ。想っていた月日自体誰も知らないことで、それを他ならぬ自分が忘れてしまうことを歎く。自分の心の内側だけで起きていることを詠んでいる。

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