プロパガンダ映画についてぼんやり所感
いや私はTGMってまぎれもなくプロパガンダ映画だと思うけど、ただプロパガンダ映画とは何かっていうそもそもの話もあるなと思っており。
一般的にプロパガンダ映画というと「国家や軍など特定の権力に奉仕するために作られた(つまらない)映画」というイメージだと思うんだけど、実際はフィクションであるかぎり観客を楽しませるという使命を負うので(面白くない物語はプロパガンダとして機能しないから)、そこで一種の逆転現象が起きることがある=題材にされている権力が物語に奉仕する、つまり国家や軍がただ面白い物語を作るための「ネタ元」でしかないような見え方をすることがあると思います。
物語を利用して広報をしようと思ったら物語に利用されていた…みたいなことはわりとあると思っていて、権力が物語というものの本質的な身も蓋もなさを甘く見るとそういうことになるんですけど、私はTGMはこのパターンのやつだと思っています。ただだからといってプロパガンダ映画じゃなくてエンタメ映画だというわけじゃなくて。そもそもよくできたプロパガンダってよくできたエンタメだからね、という。だから何の思想もなくただエンタメだけを追求する人って、ぜんぜん作れるんですよねプロパガンダ映画。 #映画