「オッペンハイマー」所感つづき。
前半2時間は原爆ができるまでのプロジェクトXみたいなもので、オッペンハイマーはそこで人生の絶頂を迎えるので、ぴったり残り1時間がそこからの転落になるわけですけど、それにしても原爆が人道への罪だったから転落したわけじゃなくてふつうに水爆推進派にポリティクスで敗れたからなんですよね。本人に倫理的葛藤があったということは描かれているけど、転落の直接的原因としてはそれじゃなくて、オッペンハイマーが政治家としてはナイーブすぎたから、というように見えるし。いやまあ歴史に忠実に描くとそうなるんだろうけど、やっぱ徹頭徹尾アメリカンポリティクスの話だな…という先のトゥートに述べた印象が導かれます。
ただそれと「人類に過ぎたる力を与えてしまった男」みたいなナラティブはあんまり合わないかなーとは思った。アメリカ=世界じゃないんだしこんなドメドメした小さな物語をなんか人類全体に示唆があるものとして拡張されても無理やで感はある。#映画