感想 映画『ロスト・キング』
ベテラン会社員なのに、病気、年齢、性別で差別する上司にプロジェクトから外され…という女性が、簒奪者の悪名の残るリチャード3世の墓を調査してその名誉の回復のために奮闘する物語。
会社を無断欠勤して各地を調査したり、研究者や愛好家と情報交換したりという活動が見ていて楽しかった。プレゼンや資金調達も会社員のスキルが生きているような。
たぶん英国ジョーク(ときどき下ネタや意地悪さ)が多い。ロンドン以外の英国の様子をあまり知らないので、現代の町の風景も興味深い。
元夫もなんだか仲が良くて理解があり、息子達も生意気な年齢で家事サボリに不満を言いつつも母親を愛している。冷めているけど人間味があり、登場人物がみんな魅力的。幻影のリチャード3世も常にかっこいい。
金儲けに奔走しなくてはならない大学の残念さがリアルだった。お祝いからの悔しすぎる結末だが、歴史を愛する人達の勝利が熱い。
サリー・ホーキンスの、もの静かだけど親しみやすさや情熱のある演技も良いが、フィリッパご本人、再埋葬の式に登場していたよね?
実話を元にしているというので、そちらも本があれば読んでみたい。本当に勘がものすごく当たったのか?