戦時下のオペラ上映(来期の Grounded)
Grounded 訳すなら「地上より」だろうか(昔の映画も匂わせて)
女性の爆撃機パイロットが、妊娠により地上勤務になって、ドローン爆撃のオペレーターに配置転換になり、正気を保つのを試される…というあらすじのようだ。
ただでさえ身体が大変な妊娠中の人に、つらい活動をさせるなよ(ファーゴとか三体とか)と思うし、女性すなわち母性でありそれが危なくなると悲劇というのも、男性作家の母性信仰とでも呼ぶべきベタなネタである。
世界中で戦争をしてるのに、のんきにオペラかと言われれば、そうだ。
でもフィクションに託して戦争の愚かさが描かれ、観客はそれを共有することもある。
来期にサロメを上演するのも、サムネイル写真のヨハナン像が怖すぎるが、従来の、猟奇的な恋愛の話という面だけでなく、批判者を圧殺する話であることに気づかされる。