感想『死んでから俺にはいろんなことがあった』リカルド・アドルフォ
直訳のような面白いタイトルと、蛍光色のフランシス・ベーコンみたいな装画に惹かれて読んだ。
つらい気持ちになった。自分が時々見る夢で、道に迷って焦るのに似ている。なんとかやっていけるのか?
若い夫婦と小さな子ども。言葉の通じない国、見つからない仕事、無視される存在、犯罪者扱い、帰れない家。
自分が進学や上京の頃に貧しい環境で孤独だったことや、日本の入管が最悪の扱いをしたことを思い出す。
主人公は運も職も度胸ないが、なんとか普通になろうともがいている。喧嘩しつつも愛するパートナーがいるのはフィクションならではだろうか。