マッシヴ・アタックの“Karmacoma”のサビ、どこの歌詞サイトでも“Jamaica & Roma”となっているけど、ビデオクリップを製作したジョナサン・グレイザーの言うようにちょっと聴くと“Jamaica Aroma”という風にも聞こえる。いずれにせよそこで仄めかされているのはおそらくレゲエ・カルチャー(「ジャマイカの香り」)とラスタファリズム(「ジャマイカ対ローマ」)だと思うんだけど、そう考えるとあのビデオは単にキューブリックのパロディというだけでなく、西洋=バビロンの退廃的な一部始終を捉えたもののようにも思える。
「業、昏睡、ジャマイカそしてローマ」
"Massive Attack - Karmacoma" を YouTube で見る
youtube.com/watch?v=Vi76bxT7K6

同郷のトリッキーの“Tricky Kid”って曲の歌詞もジャマイカの宗教的背景を抜きに解釈することができない代物で、なぜ両者ともジャマイカなのかといえばそれはブリストルが奴隷貿易の中継地点だったからなんだけど、当時も今もトリップホップの「ブラックネス」については十分に語られていない気がするのでここでちょっと紹介したい。同曲の以下の下り。
Here comes a Nazarene
Look good in that magazine
Haile Selassie I
They look after I
God will receive us
Got me like Jesus
God will receive us
Got me like jesus
Mary magdaleine
That'd be my first sin
Being with this temptress
"Tricky Kid" を YouTube で見る
youtu.be/M4ijSxDcJ7c

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ラスタとキリスト教の関係については以下。
「まず、聖書宗教としてのキリスト教、ラスタファーライの世界は、イエスとセラシエどちらの救世主が正しいのか、という闘いである。一神教の世界というのは、自分が信じている神こそが唯一の神だという世界なので、イエスもセラシエも両方好き、という答えは原則的に成り立たない。この二者択一のライバル関係の論理にしたがって、白人VS黒人といった「人種」や悪と善といった倫理が対立的なものとして積み重なっていく。ジャマイカでは圧倒的多数がキリスト教徒なので、キリスト教をライバル視し、のりこえていくところにラスタファーライの革命性があり、それがしばしばマジョリティからの嫌悪を呼び起こしてきた背景のひとつになっている。」
hagamag.com/series/s0053/6493
ハイレ・セラシエ1世について。
historist.jp/word_w_ha/entry/0
“Tricky Kid”の歌詞の全文。
songlyrics.com/tricky/tricky-k
ちなみに“Christiansands”という曲の歌詞の中にもキリスト教が登場する。
“I've met a christian in christian sands, a devil in Helsinki”
youtu.be/0vtRiHt73iY

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