METライブビューイングで『めぐりあう時間たち』鑑賞。冒頭の「花を...花を...」のリフレインが過ぎ去りながらしかし消えることなく残り続ける時間そのもののように感じられた。ネゼ・セガンが言うようにオペラだからこそできる表現様式を使って時空を超えていた。水の波紋のような海のようなコーラスと空気を表現するかのようなダンサーも素晴らしかった。キッチンと書斎の間から現れるリチャードのアパートをみたときの舞台でできることの全部乗せみたいになってきた...という慄きがちょっとある。50年代のローラが夫から押し付けられる家庭の幸福の象徴たるキッチンからクラリッサの家に、そしてはるか遠くを見るような目をしたヴァージニアがまるで時間の波間にそこを見つけたように合流する三重唱に涙ぐんでしまった。そういえばジャネット・ウィンターソンの『芸術と嘘』ではは全く接点のない3人の讃歌を『薔薇の騎士』の三重奏の楽譜を載せて表現してた。

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しかし主演の3人が凄すぎて並んで受けてるインタビューにちょっと面白くなってしまった。オペラには珍しい複雑な女性キャラクターを演じることができる喜びとか興味深い内容だった。

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