フォロー

『風雲児アドヴァース』(1937、マーヴィン・ルロイ)

邦題の『風雲児』の語のせいで冒険活劇かと予想したら全然違った。18世紀イタリア、親の分からぬ捨て子アンソニーは修道院で育てられ、やがてある商人のもとに使用人として預けられる。商人(実は彼の祖父でもある)はアンソニーを商売人として育て上げる。老いた祖父が財産のアンソニーへの相続を考え、彼の商人としての成長を確かめるためハバナにある企業からの債権の回収を命じる。紆余曲折あってハバナからさらにアフリカに向かいそこで彼は奴隷貿易に携わることになる。いわゆる闇落ち。
モラル的な苦悩の果てに自分を取り戻した彼はイタリアに戻る。政敵・商敵との格闘を経て祖父の財産を受け継いだ彼は妻子との平和な暮らしを望むが、妻はオペラ歌手としてのキャリアを選び去り、アンソニーは息子と共に新天地アメリカに向かう。というお話。
アフリカの雨期で激しい雨の降る中での、奴隷商人に身を堕とした美男フレデリック・マーチの苦悩の演技がいちばんの見どころ?でも、苦悩の果てアフリカを去るにしても、儲けたお金は持ち帰るわけで、全然スッキリしない流れで、ちょっと、ちょっと、という感じだった。


amazon.co.jp/巨匠たちの-名作映画-明日は来らず

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。