『拳銃魔』(1950、ジョセフ・H・ルイス)
「若い犯罪者カップルの逃亡劇」映画の傑作。
原題は"Gun Crazy"で、主人公・男は子どもの頃から銃に魅せられて射撃の名手に育つが、昔鳥のヒナを空気銃で撃ち殺してしまったショックから生き物を撃つことが出来ない。主人公・女の方も銃の名手だが、過去に強引に迫ってきた男を撃ち殺した経験があり危険が迫れば人を撃つことに躊躇がない。ありがちな男女の設定をあえて反転させた感じがしなくもない。
主人公・男の方には故郷に戻れば親友もいるし肉親もいる。主人公・女の方には家族もおらず帰る場所もなくサーカスの曲打ち芸で働いていた。男がなんとなく立ち寄ったサーカスで二人は出会い金をかけて銃の腕を争い惹かれ合う。二人を結びつけたのは拳銃への愛ということになるだろうが、最後には悲劇的な結末を迎える。
とはいえ、二人が繰り返す犯罪シーンにアクションの魅力があって素晴らしい。車の後部座席に据えたカメラで捉えた長いワンシーンワンカットの銀行強盗シーン、強盗シーンそのものは見せないのに生々しい緊迫感があって最高だった。
#映画
https://www.cosmicpub.com/products/detail.php?product_id=7481