毒を食らわば❷
入ってきたロックマンにまず違和感を感じた。
生来の気質だと思っていたきらきらしいとまで感じる存在感がなかった。
なんとなく疲れているのか、調子が悪いのかそんな雰囲気である。
入ってきたロックマンはウェルディさんを見つけると仕事の話をしながらハーレの食堂の方へ移動した。
その様子にまたもやハーレの面々が信じられないものを見たように言う。
「あの隊長さんがナナリーに声もかけずに…!」
「先輩、金の王子様と別れたんですか?」
「いや、そもそもお付き合いもしてない!」
そんな話をしてればまたもやハーレの扉が開く。今度は破魔士か依頼人かと受付に向かえば、綺麗な女の人が入ってきた。
貴族女性のような服装のその人はキョロキョロと辺りを見回して食堂の方で視線を止めた。
「アルウェス様!」
駆け出しそうな勢いでそれでいて上品な早歩きで食堂で話していたロックマンとウェルディさんが座るテーブルまで行く。
ウェルディさんの顔が引きつっているのを見て、もしかして、さっきウェルディさんが言っていた女性なのだろうか。