7ちゃんの誘惑❷
「君、もう少し警戒心とかないの?」
「?」
ソファで2人肩を並べていた。
お互いに本を読んでいただけだけど、ふと、隣の温もりが心地よく恋しくなって、ロックマンの肩に自分の頭を凭れてみた。
暖かいし、やっぱりロックマンはいい匂いがする。屋内なのに陽だまりの香り。
私の好きな匂いだ。
そうして、好きなように寛いでいれば頭上から呆れたような声。
「ここは僕の部屋だよ?」
「知ってるけど」
「2人きりなんだけど」
「そうね。さっきまで、メイドさんがお茶を淹れてくれてたけど出ていったもの」
何を当たり前のことを言っているんだと首を傾げてみれば、宝石のような赤が深い色をして細められた。
「男と2人きりの時に、そういうことしない方がいいよ」
「どうして?」
遠回しな言い方に、少しもどかしい気持ちになって尋ねれば、私の上に影をひとつ落とされた。
なんの影かと言えば、ロックマンが私に覆いかぶさっている。
はて?どんな状況?
「こういうこと、したくなる」
ロックマンの大きな手が私の身体の形を確かめるように這わせられる。
これは、そういうことだ。
「…してほしいって言ったら、どうするの?」
「え?」
私だって、初心者なりにちゃんとロックマンのことを好きなんだとわかって欲しかった。