いま『アンナチュラル』見てる。めっちゃ面白いの気持ちと、でもラストマイルとおんなじで製作陣の戦術がわたしとは合わないな〜の気持ちがある。それはそれとして中堂系のキャラクター造形がフィクションにおけるわたしの大好きなタイプの人間なためひたすら「中堂……」と呻いています。

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『アンナチュラル』の合わないところ 

例えば1話で高野島さんへの誹謗中傷を法医学から反転させる構図。ミステリーとしての面白さはあれど、そこでわたしがキャラクターに取ってほしかった行動は法医学の範疇だけに囚われないこと、つまり感染者差別に対抗することだったんだよね。
3話ではミコトに対するミソジニーを立場を中堂に入れ替えることで反転させるのも、戦術としてはかなり上手いと思うけど、それを「今回は法医学の勝利ということで」と一件落着のようにミコトに言わせることは、個人の尊厳よりも法医学を優先させることを良しとしてしまわないか?という疑問がある。
5話は鈴木さんが行動を起こしてしまうほど追い詰められていた理由がいまいち伝わらないというか、「ヘテロカップルの一途な愛」を前提にしているから説明を端折りました、みたいに思えて結構きつかった。しかもあの回は中堂のキャラクターを補強するための回だった……?みたいにも思える。いや中堂のキャラクターは好きなんですけどね。

なんだろ、「題材にしている問題意識」にはかなり共感できるんだけど、それを解決しようとしたり対峙したりするときの「戦術」がわたしとは合わないんですよね。なまじ問題意識に共感はあるから期待してしまう部分もあり、なおさら強くそう感じてしまうのかも。

アンナチュラル完走してMIU404も中堂の影を追いかけて観たのですが、MIU404に関しては警察を随分とかっこよく書いてるので入れ込めない気持ちが強かったかな。とくにep5とか、外国人労働者への処遇や技能実習制度に対する問題意識は根底にあるのに、レイシャル・プロファイリングをやってる警察権力そのものに目を向けないのは欺瞞でなくて?と思ってしまった。

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