モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーンの感想
なんかちょっとわたしが期待していたものと違ったな、という感覚。この作品は意図的に「偏見」を描いているように思えた。精神疾患、人種、職業、ルックス……そういうものに対する「偏見」のレイヤーの下になにがあるだろう? という部分を見せようとした作品なのだと感じた。
でも、結局自覚なき「偏見」を破壊しようとするところまではたどり着けなかったのではないか? とも思う。
良かったと思うのは、閉鎖病棟から逃げ出したモナに靴をあげて、逃げられそうな場所を教えてくれたひとや、飛行機に初めて乗ったモナのスーツケースを荷物棚に入れてくれたり、シートベルトの締め方を教えてくれたひとがいたこと。単なる善意もそこにあったこと。そういうひとたちに助けられたモナはどこにだって行ける。