お父上の代理で市内の高級ホテルの立食パーティーに参加した定文と新しく院長になった事への顔見せで同じくパーティーに参加してた敏夫の妄想(後)/定敏
エンジンをかけていない車内は紫煙が充満するが敏夫はもう一本と既に新しい煙草を口に咥えて火をつけている。
「そんなに我慢してたのか」
「はぁ……医者がヤニ吸ってたらあいつら何を言うかわからん」
助手席に凭れ掛かりネクタイを緩めてニコチンを摂取して気持ちよさそうに目を細める敏夫の姿に情事の姿と重ねて煙草の火を消して晒された首筋に口付ける。
「唇はここじゃねぇぞ、定文」
すり、と手の甲で定文の股間を撫でる敏夫から煙草を奪うと口付ける。
酒と違う銘柄が混ざった煙草味のキスは美味いとは言い難いが堪らなく興奮すると激しく降り続ける雨音を聞きながら離せずにいた。
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「ああ、河川敷がはん濫してな…大丈夫。ホテルを取った…そっちは大丈夫か?広也には家から出ないように…ん、ああ…おやすみ」
受話器を下ろすと薄ピンクのダブルベッドに寝そべると風呂から出てきた敏夫が隣に座ってバスローブの裾を割って定文の兆しに触れる。
「ここの電話使ったのか?履歴調べられたらバレるぞ」
「うちは黒電話だ」
いい夫の顔はどこにやったと定文の上に乗ると楽しそうに笑みを浮かべた敏夫にキスをした。🔚