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お父上の代理で市内の高級ホテルの立食パーティーに参加した定文と新しく院長になった事への顔見せで同じくパーティーに参加してた敏夫の妄想(前)/定敏 

酒を飲んでる敏夫に車じゃないのか?と聞く定文にお前はまだ飲んでないだろと連れて帰れという意味をもつ言葉に持っていたシャンパンをミネラルウォーターに変えてもらい口をつける定文。
元々酒を飲むつもりはなく必要な人間には挨拶を済ませていたので早々に引き上げるつもりが敏夫がいる事でそれも出来なくなり、少し離れた窓際で見守ることを決める。

『酒でも飲んでおかないと腹黒ジジイや色ボケババア達におべっかを使う気にもなれん』
だが敏夫はそんな本音をおくびにも出さずに金持ち用の知性ある品のいい医師の表情で対応している。

「随分と猫かぶりが上手くなったもんだ…」
金持ちが好きそうな全面ガラスの窓に視線を向けると外の雨が次第に激しくなっていき、稲光のあとに雷が落ちる。
ぼんやりと河川敷辺りが冠水しなけりゃいいが…と思っていたら作り笑いを浮かべたまま敏夫が「帰るぞ」と一言。
相変わらずの態度に「あいよ」と2人並んで会場を後にする。

「はぁー…っ………」
「美味そうに吸うなぁ、若先生は」
じりりっ、と敏夫の煙草が急速に灰になっていく姿を眺めながら定文も口に咥えた煙草を一気に吸う。

お父上の代理で市内の高級ホテルの立食パーティーに参加した定文と新しく院長になった事への顔見せで同じくパーティーに参加してた敏夫の妄想(後)/定敏 

エンジンをかけていない車内は紫煙が充満するが敏夫はもう一本と既に新しい煙草を口に咥えて火をつけている。
「そんなに我慢してたのか」
「はぁ……医者がヤニ吸ってたらあいつら何を言うかわからん」
助手席に凭れ掛かりネクタイを緩めてニコチンを摂取して気持ちよさそうに目を細める敏夫の姿に情事の姿と重ねて煙草の火を消して晒された首筋に口付ける。

「唇はここじゃねぇぞ、定文」
すり、と手の甲で定文の股間を撫でる敏夫から煙草を奪うと口付ける。
酒と違う銘柄が混ざった煙草味のキスは美味いとは言い難いが堪らなく興奮すると激しく降り続ける雨音を聞きながら離せずにいた。
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「ああ、河川敷がはん濫してな…大丈夫。ホテルを取った…そっちは大丈夫か?広也には家から出ないように…ん、ああ…おやすみ」
受話器を下ろすと薄ピンクのダブルベッドに寝そべると風呂から出てきた敏夫が隣に座ってバスローブの裾を割って定文の兆しに触れる。

「ここの電話使ったのか?履歴調べられたらバレるぞ」
「うちは黒電話だ」
いい夫の顔はどこにやったと定文の上に乗ると楽しそうに笑みを浮かべた敏夫にキスをした。🔚

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