【読書感想】 『ワイルドサイドをほっつき歩け --ハマータウンのおっさんたち』ブレイディみかこ
EU離脱が決まった頃の英国南部、労働者階級のおっさんたち、彼らの喜怒哀楽をしたためたエッセイ。体はガタが来てるし時代も合わない。でもたくましく生きている。一世紀前のアラン・シリトーが描いた作品、本作が描く現代、英国の地べたをしぶとく生きる人々の根底に共通するものを感じる。そして私はそれが大好きだ。著者が移民という立場であり、彼らを内と外の両面からの視点で描いているので伝わりやすい。かつて青春時代を過ごした場所でもあり目に浮かぶ光景がいくつもあった。巻末の現代英国の世代、階級、酒事情の解説もたいへん良き。
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