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小林照幸『死の貝―日本住血吸虫症との闘い―』読了。
ノンフィクション。とても面白かった。
謎の風土病の謎が徐々に解き明かされ、その対策が徐々に打ち出されと、人知のリレーに高揚感を覚える。
日本での収束の兆しが見えてから、中国揚子江流域の広々とした沃土が立ち塞がる絶望感が堪らんです。
徐々に徐々に謎が解き明かされる展開に興奮するのですが、この本は最後にひとつ大きな謎を残して終わります。

明治14年(1881年)に山梨県令に嘆願書を出してから、平成8年(1996年)に終息宣言が出るまで115年がかかっています。人間の間尺ではとても長いのですが、1世紀余あればひとつの病を根絶させられるんだなと、近現代医学の発展に打ち震えます。
風土病の感染経路を確認するために(治療法はまだ見つかっていない段階で)実際に自分の身で感染してみた医者さまもいて、人間というものは使命感を持てばここまで献身できるのかと、おののきました。

毛主席の漢詩も収録されてて、とってもお得!

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