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森部豊『唐』読了。
日本語において中国を表す漢字は「漢」の「唐」とあるのですが、その唐です。日本の律令制のお手本となった国。
なにせ290年の歴史があり、版図も広く、時間・空間の両面で、わたしの処理能力を越えてしまって。
でも、情報を切り分けて定義付けし、分かり易く書いてくれています。

安禄山の「安氏の乱」を境に、前半と後半に分かれ、前半は東ユーラシアの多文化・多民族の世界帝国、後半はモンゴリアの離脱や外患で漢化が進み、かつ宦官が活躍した時代だと説明されています。
唐の成り立ちについては、同じく中公新書の平田陽一郎著の『隋』を読んでおいて、良かったです。併せて読もう「流星王朝」!

前半は、武則天に結構な筆が割かれており、この人凄いな、となりました。帝位に就いただけで力尽きた観もあり、どういう統治をしたかったんだろう。
科挙の導入や律令の整備など、単語だけは聞いたことのある事物が出てきて楽しかったです。

後半は、道士に処方された不老不死の薬を飲んで精神に異常をきたしたり命を落とす皇帝がちょいちょい出てきて、この薬あやしいから止めようってならなかったのはなんでかなあ、と思いました。
唐崩壊の呼び水となった塩賊の出現などが説明されており、楽しかったです。

ちょうど今日その本読み始めたところでびっくりです!

おお、偶然!漢字の読み方と中国の地理が分からないので読むのにだいぶ難儀しましたが、唐王朝の全体的な流れはざっくり俯瞰できるようになったかなあと思います。

私もこの手の本、漢字の読みと地理情報をもっと丁寧に〜とはよく思いますね!
まだ途中ですが、漢族でないエスニック集団の影響力が面白いです。鮮卑、突厥、ソグド、吐蕃などなど(先に森安孝夫『シルクロードと唐帝国』を読んだのでそっちの視点にひきずられてるのもありますが

姻戚関係も入り組んでいるので、系図ももっと欲しい〜ってなります。
エスニック集団の影響、太宗がテングリ・カガンになったくだりなどは盛り上がりました。
森安孝夫『シルクロードと唐帝国』は読んだことがないので、読んでみます!

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