The Burnt City 一度は観とこうと思ってオファーチケットを取ったPunch Drunkですが、まぁ一度でいいかな…。つまらなくはなかったし華やかで楽しい感じは観光にはいいかもですが、演劇パフォーマンス作品としてはやっぱり物足りず、正規の値段では薦めないです。
トロイア戦争の主要人物を軸にしたノンバーバルパフォーマンスで構成されていて、退廃した街の美術を動き回るキャラクターに合わせて観客も移動する。自由に観て回れるというのが売りの一つでそういう設計になっているものの、それを鵜吞みにして自由に観て回ると詰みます。
キャラクターごとのプロットは結構しっかりリニアに組み立てられてて一人を固定して追わないと断片的過ぎる(なのでそれらが互いに交錯するのは確かに見事なのですが)。反面、ついていくキャラクターを選ぶ(エピソード分岐的な)場面がかなり多く、しかも見失うぐらい移動が早い。

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前半のびのび見過ぎてさすがにわけわからんくなり、後半はロックオンした人物だけを執拗に追うことにしたんですが、これは果たして想定されてる鑑賞方法か…?とちょっと考えてしまった。でもギリシャ悲劇のモチーフをたどらないと雰囲気だけで終わってしまう気も。
観に来てるお客さんの多くはたぶんギリシャ悲劇を観に来てるわけじゃなくイマーシブシアターという体験を楽しんでるんだろうなとも思うし、演劇云々とか考えずこういうものと思った方がいいのかもだけど。でもdreamthinkspeakとか観てると、イマーシブの傑作はやっぱこれじゃないよなと思う。
あと、自由に観て良いとか観客にゆだねるとか、良し悪しは観る人次第なコンセプトが(イマーシブや参加型でなくても)そもそもあまり私は評価できないんだよなってのはある。搾取とまでは言わないけど、観客の経験の良いとこどりをするようでずるいなと思ってしまうんですよね。

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