"科学否定論者は確かに科学について無知だ。しかし科学肯定論者もまた科学否定論について無知だったのだ。科学否定論にはまり込む背景には往々にして、社会的な孤立感や疎外感があることは本書でも度々指摘されている。そこに拍車をかけるように私たちはしばしば彼らを馬鹿にするような態度をとる。反ワクチン派の人々を「反ワク」と呼ぶのはその一例だ。しかしこれでは彼らの思想をより先鋭化させ、対立を煽るだけだろう。科学の否定に対抗するには――やや逆説的に聞こえるが――科学を否定する人々に私たちの方から歩み寄らなくてはならない。科学否定論は、決して物分かりの悪い人々が抱える個人の問題というわけではなく、その心理的背景や影響の大きさを考えると、社会全体で対処すべき複雑な社会問題の1つである" https://note.com/kokushokankokai/n/n0c6daf7a13ad