"平野 19世紀の小説って食事の時の周辺描写とか、結構多いんです。それは昔の人の多くが、待ち合わせ場所に行って、することがないから周りをよく見ていたからだと思う。壁紙の柄や色とか、レストランの向こうで食事する人がいるとか。当時の読者はそれを読むと臨場感が湧くだろうけど、いまの時代、レストランに早く着いても、みんなスマホいじってますよね? 空間の観察とかしないでしょ? 見ないというほうが日常なのに、小説の中で壁紙がどうっていう描写が続いたらむしろリアリティを持てない。だからいまは、あまりこってり状況描写を小説の中でしないほうに向かっている" https://madamefigaro.jp/culture/221118-keiichiro-hirano-kei-ishikawa.html