『不適切にもほどがある!』について
あと、やっぱ雑すぎない? 全編にわたって、なんかすべてが雑じゃない? 「ほんとにクドカンが書いてるの?」って疑念を抱いてしまうほどに雑じゃない?
クドカンが雑なものを書かないというわけではないが、こんななんか……「素人が想像で書きました」と言われても納得するようなものをさあ……
ほんとマジでおもしろくないよ。ポリティカルコレクトネスの観点をはずして見てもおもしろくない。
インティマシーコーディネーターという職業の扱いも悪意すら感じた。インティマシーコーディネーターの方が「監修は入っていないらしい」というようなことをツイートされてたけど、でしょうねという……。
こんなの見てる時間がもったいないし、ばかばかしいし、なにがしかのかたちで収益になってしまうのだったらものすごくいやだ。
私はクドカンの作品に低視聴率みたいなことで難癖をつけるこたつ記事大嫌いだけど、もし仮に、本作に対する評価についてクドカンが「また叩かれちゃって」みたいなことを言ったら「ふざけんじゃねえ」ってなるね……
他方で、私が都合の悪いところをスルーしていたり、気づくための材料を持ち合わせていなかったために見逃していたことも、当然にいろいろあるのだろうな……ということも同時に思っている。
上川多実さんがツイートされていたけど、『監獄のお姫さま』で「逆差別」という言葉を批判的ではなく使ったというのは、私は全然見逃していた。全話は一通り見ていたはずだから、私がそこにひっかかれてなかったってこと。2017年放送のドラマ。
だから、鈴木みのりさんの〈「宮藤さんと磯山さんにはずっと期待してたのに裏切られてひどい!」というナイーブな意味でなく、視聴者としてこういう作りを許容し、広めてきた自分への反省含めての投稿かつ、提案だし〉というツイートにもはっとする。
これは「ダウンタウンの『お笑い』を享受してきた者である私」にも共通するものがある。私は、少なくとも20世紀が終わるちょい前ぐらいまでは、あの「笑い」を楽しんでしまっていたので。
自分の消費がどういう社会をつくってしまうかという、言葉にするとピンとこないかもしれないようなことが、本当に実感として手元にある。
不適切さの答え合わせのために見ているみたいな気分になるぐらいなら、私は『殺人者のパラドックス』2周目を見たほうがいい