映画「夜明けのすべて」とても良かった
PMSに悩まされる藤沢と、パニック障害を抱える山添が、手をさしのべたりさしのべられたりするお話。
生きづらさを抱える2人が、病状は大して改善しないけど、周囲のおかげでちょっとずつマシな方向に変化していく様子が丁寧に描かれているなと思った
ままならない体と心を抱えながら、誰かを助けることができるというストーリーに、勇気づけられる
映画館の予告で見ていて、1人がもう1人をケアして、恋愛関係に発展するお話なのかと思って特に惹かれていなかったんだけど、どうやらそういうお話じゃないらしいと知り、観たらとっても良かった
終盤で藤沢がプラネタリウムのナレーション(説明)をするシーンがあるんだけど、藤沢を演じる上白石さんの声がとても良くて、もっと聴いていたくなる
映画「夜明けのすべて」
また、周りの登場人物たちもとても良いんですよね
まず「栗田科学」の雰囲気がとても良い
仕事終わりに食事に誘って「用事があるんで」と断られても「そっか」と簡単に受け入れてくれる。
同じく食事の誘いに対して、中学生の子を持つ(そしておそらく一人で子育てしていると思われる)同僚は、それに対して「助かるー。一旦家帰って、子どもと一緒に行くわ」と答える。これまで何度もそういったことがあったのがうかがえる。
藤沢の感情が高ぶったときも、慣れた様子で場所を変えてくれる。
前の職場では居場所がないと感じ転職せざるを得なかった藤沢が、ここで何年も働いているところからも、安心して働ける場所なのがわかる。
「栗田科学」で働く同僚たちも色々と事情があるようなので、原作読みたい
(原作だと「栗田科学」ではなく「栗田金属」らしい)
藤沢のお母さんもまた良い。
さらっと流れるけど、藤沢がPMSでつらい様子を見かねて婦人科に連れて行ってくれる時点で、親子関係の良さと、生理の知識と理解の高さがわかる。
ひどいめまいで動けなくなっていたところを警察に保護された藤沢を迎えに来る場面では、なんてことないように手をあげて、大雨のなかコートを2人で被って楽しげに帰っていく一連のシーンよかった