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山中の或る噂がある古い平屋へ越してきた。「よし、今日からここで生活だ。おっ、室内井戸に銀杏の木がある」と父が言いながら破れた障子紙を開ける。銀杏の木は天までのびていたようだが枯れ果て2メートル位にきられていた。ただ幹に縋るようについていたしめ縄が妙に気になった。隣には板で蓋をした井戸。外に古い井戸があったが、この井戸は一体何のためにあるのだろう。一通り家の中を綺麗に、その不思議な組み合わせの枯れ木と室内井戸の所も綺麗に、何故か布団を用意してあるのを確認し障子を閉めた。暗くなってきて室内が妙に騒がしいと思い、閉めたはずの障子の前を通ると開いている。チラリと見ると誰かが寝た形跡があった。ドスンドスンと音がして振り返ると室内から一つ目の巨人がいる。父の姿はない。咄嗟に踵を返して走り出すと後ろから追ってくるのが分かった。必死に走り、獣道を下って水辺まで来る。構わず裸足で水の中にに入って振り返ると一つ目は水に触れる事が出来ないようで獣道が途切れた所からジッとこちらを見ていた。
これから、どうしようか。

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