ロンサザ 途中まで 

 素泊まり宿でも扱いは酷く、値定めをするような視線をぶつけられた。特にサザントスは体を触られていた。ただそこに性的なものは一切なく、あくまで体つきを図っていたようにも思える。
「あいつから聞いてるよ、金がねえんだって?」
「いえ僕たちは「黙っていろ」んんんぐーーーー!」
「ちょうどうちの看板娘が倒れちまってな。代わりの奴を探してたんだが」
 連れ込み宿屋の主人はサザントスを自分たちのお抱えの娼婦の代わりにするつもりらしい。私は男だがというサザントスに対し、どっちでも構わねえだよあのソドミー親父はと主人は愚痴る。
「アイン、お前は先に部屋に行っていろ。俺はここで話を聞く」
「いえ、僕も一緒に」
「ア・イ・ン」
「は、はい」
「おっ、兄ちゃんいっちょ前の騎士様か~いいねいいね」
 サザントスに指摘され、ロンドは主人から鍵を受け取ると渋々と荷物を持って最上階に向かう。彼の足音が聞こえなくなると、主人はサザントスに「お前、あっちのえらーい人だろ?」と言う。別に彼にとっては他意はない。
「そりゃ旅人がそんな小綺麗な格好でくるわけがねえよ。こんな寒村にな。どうみても騎士様だ。あのくそソドミー爺をぶっ潰してくれるならいくらでも大歓迎だ」

ロンサザ 途中まで ※続き 

 連れ込み宿を経営している為か、領主の悪辣な少年性愛や男色趣味をまじまじと見る羽目になる。仕事だと割り切っている者の、自分の子供より若い少年少女が被害に遭う様を見るのは心を無心にしていても軋むものがある。
「今夜、領主の館で教会のお偉いさんを招いたパーティがある。表向きは親睦会だか、裏は子供や青年を相手にした肉辱のパーティだ」
「………………わかった。情報に感謝する」
 潜入するんだろう? それならコレを着ていけと主人は男娼のドレスとケープを渡す。なぜいないんだ、と聞けば「みんな死んじまった」と呟く。その言葉にどれだけの血と悲しみが混じっているか、サザントスは知らない。だが理解はできる。
「(枢機卿派のある司祭は少年好きという噂がある。証拠を押さえてしかるべき場所で裁きを受けてもらわねば)」
 なぜこれらをサザントスのみに話し、ロンドには普段の悪辣な主人の仮面で対応したかと言えば、「顔に出そうだから」という理由だった。

フォロー

ロンサザ 途中まで ※続き 

完全にユグ○ーじゃなくてカト○ックがモデルだと思うので、性愛もちょっとあれナ所を入れました。
司祭がカト○ック系の言葉じゃなかったかな?

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。