“性別違和(性同一性障害)はネットを介して伝染し、突然発症する——。5年前にある医師が発表した「ROGD(急性性別違和症候群)」をめぐる1報の論文は、科学的根拠に乏しいと否定されたにもかかわらず、今も大きな影響を与え続けている。”
メアド登録だけで全文読めるのでぜひ読んでほしいのだが、いわゆる「トランスジェンダーはネットで伝染する」という説の出どころについて詳しく説明されている。
この説の提唱者は若者の性転換医療へのアクセスを法的に禁止するのには反対だと口では言うものの研究方法と結論の両面で学説としては否定されて心理学会からも最高レベルに非難され、それにもかかわらずトランスの抑圧に政治的に悪用されている自説を取り下げるわけでもない。
この説が最悪なのは政治的に悪用されるからというだけではなく、誰が本物のトランスかという無用な線引きの存在を前提に持っていることだ。肯定的にしろ批判的にしろこの説を話題に上げる時に忍び込むこの分断と差別の方に個人的にはより腹が立つ。
MIT Tech Review: 波紋広げた研究論文、トランスジェンダー伝染説はいかにして利用されたか https://www.technologyreview.jp/s/285249/how-the-idea-of-a-transgender-contagion-went-viral-and-caused-untold-harm/