『三体0』(劉慈欣)
読了。三体シリーズの前日譚で、書かれたのもシリーズ連載前という事なので、これからの人は『三体0』から読むのもありかなと思います。
具体的な内容は控えますが、とても面白かったです。劉慈欣らしさ、堪能しました。
三体シリーズに限らず短編集もそうですが、劉慈欣作品の自然や宇宙に対する畏怖(人間の傲慢さに対する警鐘)と、魅力的な教師(恩師)・科学者・専門家の描かれ方のバランスがとても好きです。
近頃の、自分の所属していない集団(例えば高齢者とか専門家とか)を疎んじるような、軽んじるような風潮に不安を感じているのですが、読んで少し不安が和らぎました。作品に流れる自然科学と歴史に根差した命へのまなざしが、温かいのですよね。
良い師との出会いがみんなにありますように。