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『レオン 完全版』(1994)
監督・脚本/リュック・ベッソン

麻薬取引のいざこざから家族を殺された少女は隣人の部屋に転がり込む。その部屋の主はプロの殺し屋だった。復讐を誓う彼女は殺し屋から殺しの手ほどきを受けていく。孤独な二人の奇妙な共同生活、その終焉までの話。

あらすじもいらない程の有名作品を20年ぶりに再見。細部はほとんど忘れていたにもかかわらず、ゲイリー・オールドマン演じる警察官の狂気を現すしぐさ(ピルケースを鳴らす、薬を噛みしめて天を仰ぐ、云々……)を観た途端、脳細胞が「あぁ~~~~~~!!これ覚えてるぅ~~~~~~!!」と悲鳴を上げたので驚いた。観たものの記憶に刻み込む演技をする役者、すごい。

モノマネクイズの「イーストウッド?」「…ジョン・ウェイン」で笑うことができて、私自身の成長を感じた。20年前はジョン・ウェインは勿論イーストウッドが誰だか知らんかったので……。

「主役の性愛の対象にはならない」が一貫しているので今も鑑賞に堪えうるし、これからも残り続けるんだろう。ただ、監督の性加害報道を知ったうえでみると、その設定自体がちょっと言い訳めいたもののような気もする。

『レオン』感想つづき 

子役女性への配慮のなさで、目のやりばに困ったシーンがあった。マチルダがシャツとパンツ姿で家事をするシーン。おそらくブラを付けてないために、乳首らしき輪郭がはっきりと分かる。もうちょっとこのシーンの衣装に配慮はできんかったのかとおもった。

一応擁護しておくと、「レオン」の元ネタになった「グロリア」という映画(※女殺し屋が男の子を保護する話)でも、タンクトップにブリーフ姿の男の子がベッドで煙草を欲しがるシーンがでてくるため、そのオマージュだったのかもしれない……いややっぱそんなん関係ないな。6歳の男の子から12歳の女の子に設定変更している時点でその辺もうちょっとどうにかしてほしかった。

この映画が映画史に残る名作として扱われ、恐らくこの先も残り続けるであろうなか、ナタリー・ポートマンの心中を思うと、何とも言えない気持ちになる。

2018年、俳優やスタッフに繰り返し性加害をおこなったとしてリュック・ベッソン監督が告訴されている。この映画が「名作」とされてきたのも、男性にとって都合のいい視線が溢れているからかもしれない、と思う。ちなみに私は「グロリア」のほうが好きです。

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