この時期、埼京線で荒川を渡るたびに、ああここでも、おれと同じラベルを貼られた人々が殺されて、流されたんだなぁ、と思う。熱狂した無辜の臣民たちの手によって。そのことを、なんとかなかったことにしようとする権力が存在している。そら恐ろしくなる。いつかおれの頭にも、同じように鳶口が叩き込まれるのかもしれないと。そう望んでいる力が、この社会にたしかに存在している、ということだから。
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