思うに、公権力が市民に対して故意に「虚偽情報」等を垂れ流す事は、憲法第19条で保障される「思想及び良心の自由」を侵害していると言えよう。公権力による「事実を歪めた上で市民の内心/意思形成過程に働きかける」という行為は、言ってみれば「洗脳」であろう。「市民の自由意思を阻害し、公権力の意向に沿うように誘導」しているからである。
たとえば、自由民主党政権がワンズクエスト社に「Dappiによるデマ流布」を依頼していた事が問題となったが、これは市民の内心/意思形成過程に働きかけて「虚偽を真実と認識させる」ように仕向けたものであり「洗脳/自由意思の妨害」に該当するであろう。
「思想及び良心の自由」は、内心に留まる限りにおいて「公共の福祉」による制約も受けない(絶対無制約)。加えて、当該自由は「表現の自由」や「信教の自由」といった各種基本権の「基盤」となるものである。ために、自由民主党政権による「市民の意思形成阻害」は、憲法上の基本権における基盤を侵害したという意味で、極めて悪質な憲法違反行為であろう。