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徐京植(そ・きょんしく)さん。

日本生まれの在日コリアン二世である徐さんには、徐勝(すん)さん、徐俊植(じゅんしく)さんというお兄さんがいて、二人とも軍政下の韓国に留学。民主化運動に参加して「スパイ」として逮捕され、長期に渡って牢獄に入っていました。その期間、徐さんは妹さんと共にお兄さんたちの救援活動を日本で行います。

当時、日本の戦後民主主義的な市民・メディアが、彼らの活動を応援していました。岩波書店などはその代表格で、徐京植さんと獄中の二人との手紙のやりとりは、岩波新書『徐兄弟 獄中からの手紙』として出版されています。また、未来社の名物編集者・松本昌次さん(丸山真男の本など担当)は、影書房を立ち上げ、そこから多くの徐京植さんの本がでることになります。

民主化の流れのなかでお兄さん二人は釈放されます。投獄されてから徐勝さん19年、徐俊植さんは17年経っていました。
(それぞれ、1990年、1988年。なので、映画「1987」で描かれているところからさらに数年かかっている)。

「戦後民主主義」と呼ばれる思想・運動に、今日から見て、いろんな「不足」を指摘することはもちろん出来ます。しかし、徐京植さんのような文筆家がいるということ、それ自体が「戦後民主主義」の成果の表れではないか、と思っています。

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