映画『窓ぎわのトットちゃん』2回目鑑賞 感想②
(続き) また、この雨のダンスシーンは、2人の暮らしに戦争の影が色濃く侵食してきているのを感じさせると同時に、人を搾取するためのわかりやすい標語をチープに見せる構図にもなっている。現実と、トットちゃんとやすあきちゃんに見えている世界が重層的に描かれるこのシーンでは、「撃ちてし止まむ」のポスターが楽しげな極彩色のネオンのおこぼれを浴びているカットなどが入るが、このカットは小林先生が軍艦の表を破り捨てるよりも、はるかに痛烈に唾棄していると思う。
大好きなシーンは山ほどあるけれど、個人的にはここが一番好き。その次にトットちゃんが初めてトモエ学園の電車の校舎に乗った瞬間の特殊アニメーション。その次は、この続きに書くつもりの、トットちゃんが葬儀会場を飛び出してトモエ学園まで走るシーン。このシーンについてはまだ言葉がまとまらないので、もう一度見てから書けたら書きたいなと思う。