ブラームスの4番を何故聴くか。
20世紀以後のシステムの暴走がもたらす破局的事態を19世紀の段階で的確に見抜き、悲劇的に描ききっているところ。
冒頭の3度下降、6度上昇の第一主題の繰り返しに、ブラームスは恐らく19世紀から20世紀に向かう社会のシステムそのもののメタファーとしてホ短調という悲劇的調性で表しているのだろう。システムが一見無意味なように自律的に反復して繰り返されていけば行くほど、あちらこちらで惹起される阿鼻叫喚。それでもシステムは暴走を止めるどころか益々形を変えて変奏される、、、
現代の新自由主義の向かう方向を暗示しているよう。
最後のパッサカリアに至っては、もう地球上の悲劇を集めてきたよう。
ぼくにはそう聴こえる。
この阿鼻叫喚を演奏で正確に再現してくれる演奏家はフルトヴェングラーかクナッパーツブッシュ、クレンペラー、ムラヴィンスキーあたりか。ムラヴィンスキーはソ連の筆頭の指揮者だったので、冷徹さを骨の髄まで感じる、また別格的な存在。
QT: https://fedibird.com/@knappertsbuch/112649496238322181 [参照]