『ACE アセクシャルから見たセックスと社会のこと』アンジェラ・チェン(Angela Chen)、 羽生 有希 訳
すごくいい!!!!!!!!!!!
『ACE アセクシャルから見たセックスと社会のこと』アンジェラ・チェン(Angela Chen)、 羽生 有希 訳
読了。まさか人文系(でいいのかな)の本を読んで泣くことがあるとは思わなかった笑。電車で大変なことになったぜ。
本書には頻繁に「フツー」という単語が出てきます。ただ、ここで語られているのは、「“フツー”に抗え」というよりも、「“フツー”にはまれないひとたちを排除するな」だと感じました。まあ行き着くところは同じかもしれませんが……。ここでいう「フツー」とは、規範であり、常識であり、ステレオタイプであり、そして「理想の在り方」でもあります。規範に抗う世界でも「フツー」は生まれ得る。
訳者あとがきで『トランスジェンダー問題』と併せて読むことをお勧めしています。いやあ、読んでよかった。
しかし『ACE アセクシャルから見たセックスと社会のこと』がすっごくよくてにこにこしちゃう。「アセクシャルとは?」という本というより、「アメリカに住む白人ではないアセクシャルから見たセックスと社会について」という感じですね。もちろん「ようこそエースの世界へ」の本でもある。これを読んで安心するひとも、(いい意味で)足元が揺らぐひともいるんじゃないのかな。