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太平記にはもう一つ不思議なところがあって、編集時のミスかもしれないけれど前半と後半に少しずつ内容が重複した菅原道真の話が2回挿入されている。

ここで繰り返されるのが、讒言をいれて道真を無実の罪に問うた醍醐帝が「地獄に堕ちた」とされる箇所。他の部分では明君であった帝ですら地獄に堕ちるのだから、まして他の人はどうであろうか、などと言及されてもいる。この場合の「他の人」とは、名指しはされていないが醍醐帝の諡を継ぐことになったあの人に他ならない。

 

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