岩浪太平記(三) 次々に南朝方の英雄が死ぬ。あれ、まだあと後ろに3巻残っているのに楠、尊良、新田がもういないよ? 顕家に至ってはいつの間にか死んでいた。
「ごめんね、本当は仲直りしたい」という尊氏の密書を読んでこっそり自分だけ、比叡山から京都へ脱出しようとする後醍醐。当然ながら新田家激おこ。読んでいてつらい。
叱られて考え直した後醍醐の解決策は、沢山いる皇子たちをそれぞれ地方豪族に担保として差し出してフランチャイズさせること。お前の血は何色だ。
そして後醍醐があっさり死ぬ。畳の上で死ねてよかったね。
太平記の基本は、うるさいこと言う子孫が生き残っていない人物は悪く言う、これに尽きる。高師直とかひどい書かれよう。登場人物どころか書き手も含めて全員悪人。よくこんな書物を皇国史観に組み込んだと思う。存在自体がアナーキーな本ではないですか。