『オカメインコに雨坊主』
芦原すなお著、文藝春秋社 2000年8月発行
画家である主人公は、たまたま乗り間違えた汽車に乗ったまま終点まで来てしまい、そのまま山間の小さな町に住み着いてしまう。小学生の女の子とおばあさんが住む家が下宿先。汽車が一日に一本しか走っていないような、おそらくは昭和30~40年頃の、ひなびた田舎町で起きるSF(すこし不思議な)連作短篇集。ネコのミーコやアイルランド人英語教師、製材会社社長さんらとの心温まるふれあい。今よりもずっと、大いなる自然と超常の存在が身近だった時代。細やかな優しさと不思議な懐かしさを覚える読後感。
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