『人工知能 人類最悪にして最後の発明』
ジェイムズ・バラット著、水谷淳訳、ダイヤモンド社 2015年6月発行
当時の著名なAI研究者や技術者の取材を通じてAIの脅威を描き出す。これ、原著が出たのが2013年と10年以上も前。生成AIなど影も形もなく、おもちゃにも満たないような性能のAIが最先端だった時代。最新の技術が半年もすれば時代遅れになってしまうAIの世界で10年前は石器時代みたいなもの。それでも当時から人類の存続がかかるAI脅威論の本質は変わっていないと思わせられる。ただ、著者は専門家ではなくテレビプロデューサーであるせいか、本書も仮定の話が多く、今ひとつ説得力に欠けるように感じた。一方、10年たって超知能が本当に目の前に迫ってきた切迫感があるせいか、最近慌てて政府や国際機関がAIの脅威に対応しようとしてるように見えるけど、もう引き返せるポイントはとうに過ぎてしまったんじゃないかな。いずれにしろ大変興味深い時代だと思う。