『スッタニパータ ブッダの言葉』今枝由郎訳
言わずと知れた原始仏典。光文社古典新訳文庫から新訳が出てたので購入。学生時代に読んだ時(岩波文庫版)の印象はあまり残ってないのだけど、あらためて読んでみると実に興味深い。
自分というものには実体がなく、すべては虚妄であるとブッダは説く。最近の脳科学、特に受動意識仮説を支持していると、ブッダが語ったのはそういうことかな、と思ってしまう。バラバラに動く脳のサブシステムがご都合主義でまとめた偽りの自己。グルジェフの思想もそれに近いと考えられる(彼自身は「秘教的キリスト教」と言ったけどそれは西洋文明の中だったからだろう)。
ただ、最終的な目標は明示されているのに、そこに至る道筋が迂遠すぎる気がする。ブッダ存命中は対機説法でカバーできたんだろうね。
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