尾道は昔から干物の産地で(商店街に交差するあの細い路地とかで猫とおばあちゃん達が魚やら干物やらを広げて売ってたし、町にはいつも魚やら干物やらの匂いが漂ってる『魚臭い町』がわたしの中の尾道だった)、尾道のいりこはとても品質が良いとのことでわざわざ尾道へいりこを買いに行く人もいたりして、うちの家にも、時々、お裾分けだか買ってきたのだが出処はよくわからないけど大きな白い紙袋に入ったいりこが来ることがあって、学校から帰ると母がそのいりこを山にして頭と腑をむしってることがあって(すぐ料理に使えるようにあらかじめ身だけにしていた。頭と腑が付いたままだと苦くなる)、それをおやつがわりにつまみ食いしてた記憶。。
「尾道のいりこはええ(良い)けど多過ぎるんよ。こんなん(一抱えの仕草をしながら)あるんじゃもん」と母が言っていた(たぶん本人は覚えてない)