来年度の税制改正大綱のもとになった政権与党の文書をざっと読んでみたところ、

自民党・公明党「令和6年度税制改正大綱」
jimin.jp/news/policy/207233.ht

インボイス制度それ自体の変更はほぼない一方で、以下が検討事項に盛り込まれたようだった。

「小規模企業等に係る税制のあり方については、働き方の多様化を踏まえ、個人事業主、同族会社、給与所得者の課税のバランスや勤労性所得に対する課税のあり方等にも配慮しつつ、個人と法人成り企業に対する課税のバランスを図るための外国の制度も参考に、正規の簿記による青色申告の普及を含め、記帳水準の向上を図りながら、引き続き、給与所得控除などの「所得の種類に応じた控除」と「人的控除」のあり方を全体として見直すことを含め、所得税・法人税を通じて総合的に検討する。」

「記帳水準の向上、トレーサビリティの確保を含む帳簿の事後検証可能性の確立の観点から、納税者側での対応可能性や事務負担、必要なコストの低減状況も考慮しつつ、税務上の透明性確保と恩典適用とのバランスも含めて、複式簿記による記帳や優良な電子帳簿の普及・一般化のための措置、記帳義務の適正な履行を担保するためのデジタル社会にふさわしい諸制度のあり方やその工程等について更なる検討を早急に行い、結論を得る。」

フォロー

免税事業者からの仕入税額控除に関する経過措置・特例措置の当面継続 or 恒久化は、税理士会はじめ諸団体が要望・陳情していたところだけど、議論は来年度に持ち越しされたのだろうか。

自民党税制調査会が把握する課題は、

「①インボイスの記載事項に不備があった場合に発行者は修正する義務があるはずなのに、そのことを理解しておらず対応してもらえない、制度に不慣れのため、そのつど税理士に確認している等の制度の理解が未だ不足していることに起因するもの、

 ②記載された登録番号の確認作業に時間がかかる、免税事業者からの仕入れに係る経過措置の区分をしなければならないことが手間、3万円未満の特例に関して帳簿の記載事項が負担等といった経理業務の事務負担に係るもの、

 ③免税事業者であるため利用してもらえない、取引を停止されるのではないか不安であるとの指摘がある一方、業界における人手不足の状況下であり、発注に当たって「課税(登録)事業者であるか」は関係ないといった指摘があること、

 ④取引先へ請求書を出す段階となってインボイス発行事業者の登録を求められ、登録しなければ価格を引き下げると迫られた事例」

といったところのよう。

shirube.zaikyo.or.jp/article/2

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